2000.07.11
入院当日は元気いっぱいいよいよ入院の日が来た。それほど緊張していないつもりだったけど、夕べは遅くまで寝付けず、ネットでずっと時間をつぶしていた。朝は1日のスケジュールを考えて、8時には朝食をとらなければいけなかったので、7時半ごろ起床。たっぷり眠ったなるなるは元気だけれど、夜更かしをした私は辛い・・・。けれどNHK朝の連続ドラマ「ちゅらさん」が、先週から面白い展開なので、眠気も覚めて見入ってしまった。
入院が午後1時となっていたので、11時半ごろに早めの昼食を取る。昼食をとった後、母がいつものように、なるなるに薬を見せている。母がずっと飲んでいるコレステロールの薬で、小さなキラキラした、ビーズのような粒がたくさん入っていて、なるなるはうらやましくってしかたがないのだ。「なるも、くすり、ほしいなあ〜!」なんて会話が、大阪に来てから食事の度に繰り返されていたのだが、いつも笑って聞いていたその会話が、今日に限って、なぜか心にひっかかった。「なるも、くすり」、薬、くすり、クスリ・・・
あ〜〜〜!!!
今週の月曜日から、目薬をさしておくように言われていたんじゃなかった?!ヤバイ、すっかり忘れていた!!どどどど、どうしよう〜〜〜〜!!
慌てふためき、病院に電話する「あ、あの、き、今日入院するんですけど、目薬、さしてないんですぅ〜!」「は?」「あの、目薬・・」「いつからさしてないんですか?」「じっ、実は、今日まで一度も・・・」「・・・」
ああ〜、これで手術延期とかになったら、私はどうすればいいんだ?!一体石垣から何をしに来たんだ?!バカバカバカーーーー!!もう私の頭はマッシロだ。
でも、電話に出た看護婦さんは、冷静だった。
「そうですか、じゃ、とりあえず今日のぶん、さして来て下さい。」
「え、大丈夫なんですか?手術、受けられるんですか?」
「はは、大丈夫ですよ。忘れる人、よくいるんですよね〜」
「・・・」とりあえず、よかった。大事な目薬じゃなくて・・。なにしろこの目薬は、2週間前の診察の時にもらったものだ。きちんとカレンダーにでっかい丸でもしとけばよかったんだけど、2週間も前にもらった目薬、忘れる人が多い、というのはわかる気がする。病院で配る、入院のスケジュールが書いた紙に、一言「目薬」と書いておいてくれたら親切なんじゃない?この紙なら毎日いやっていうほど眺めていたのに。よ〜し、先生に断固提案してやるのだ!・・・なんてことを、偉そうに母に話す。手術が受けられると聞いたらすっかり安心、自分の失敗は棚に上げてしまっている・・(苦笑)
よかったよかった、と荷物を持って、病院に向かう。病院は普段診察を受けている隣の駅にある分院ではなく、地下鉄で10駅ほど離れた本院で受けることになっている。2泊3日分の荷物は、小さめのボストンバックに一杯になってしまったが、衣類がほとんどでそれほど重いわけではない。なのに、なんと、父も母も、「荷物が重くて大変」だから、一緒に来るというではないか。おいおい〜〜、「大げさ一家」と思われるよ〜!とハズカシくなったが、かわいいかわいい孫の一大事、孫を思う気持ちに負けて、拒否することがためらわれ、「大丈夫だと思うけど・・」と一応ささやかに抵抗してみただけで、ありがたくついてきてもらうことにした。
本院に来るのは去年の1月の初診以来で、実に1年半ぶり。地下鉄からの上がり口を間違え、道に迷いながらもなんとかたどり着き、看護婦さんにあいさつをする。2階に上がり、部屋に案内される。部屋番号は、26。2階には21から26まで、24をとばし5つ部屋があった。なるなるの部屋は一番奥の部屋だった。部屋はおとなりとカーテンでしきられてる部屋だと聞いていたので、大部屋を想像していたのだけれど、隣と仕切る壁の一部がアコーディオンカーテンになってる以外は立派な個室といっていいほどだった。6畳はゆうにある部屋に、ベッド(下に簡易ベッドつき)、洗面台、ロッカー、エアコン、冷蔵庫、簡単なテーブルに椅子が2つ。ニギニギしい大部屋を想像していたので、少しほっとした。さすがにおとなりの声は筒抜けだが、声から判別するに、どうやらおとなりも男の子のようで、もしかしたらお友達になれるかも・・、とこっそり思う。
そして、お友達になれるチャンスはあっという間にやってきた。病院の説明は、お隣と一緒にしましょう、ということになったのだ。廊下に出て、隣の親子と初対面。たっくんというその男の子は、小学校1年生で、今回は斜視の手術ではなく逆まつげの手術だという。お母さんも私と同じ年ぐらいだろうか、若くて(?)ニコニコしたとってもかわいい人で、好印象だ。トイレやキッチンなど病院の設備の説明を受けた後、病院周辺の地図を見ながら、話しをする。「病院には入浴施設はありませんが、近くに銭湯があるので、よければ今日はそちらにどうぞ」と看護婦さん。へー、銭湯かあ!今日から2晩、お風呂には入れないと思っていたので、一応朝にシャワーもすませてきたけれど、入れるのなら入っておきたい。なにしろなるなるはこれから、1週間は頭が洗えない。
一応、もしかして、と思って私は旅行用のシャンプーなどを持ってきていたのだが、たっくん親子は何の準備もないらしい。それなら一緒にどうですか、という話しになり、どうせなら晩ご飯から一緒にしましょうということになる。ああよかった!なるなるはすっかりおにいちゃんが気になって、「ニィニィ、ニィニィ」(沖縄でおにいちゃんのこと)とついてまわっている。2泊3日、なんとかなるなるも退屈せずにすみそうだ!!
その後病室に戻り、検温(36.8度)、血圧、体重(16.5kg)を計る。看護婦さんに、手術時の話しとして、「4歳ぐらいだと、手術の後、わけがわからなくて暴れるかもしれませんので、そのつもりをしておいて下さい。おとなりぐらいの年になると、そうでもないんですけどね・・」と言われて、急に不安になる。4歳と6歳・・そんなに違わないように思うんだけど、そんなもんなのだろうか。
父と母が名残惜しそうに帰ってしまうと、おとなりのたっくん親子とフリータイム。子供たちはたっくんの持ってきていた「ネリゴム」で盛り上がり、母親たちは、私が石垣から来た、という話しから、一気に「ちゅらさん」ファンのたっくんママと意気投合、3時に「なるなるくーん、検査に降りてきてくださーい」と放送がかかるまで、病室で盛り上がっていた。
入院して最初の検査は、斜視角と視力検査だった。
特に、斜視の角度は、手術前ということもあり、念入りに、念入りに行われた。角度は聞かなかったが、予定通り内直筋の弱化のみでいきましょう、と最終的に決まる。私が気になったのは、視力の方だ。視力検査の様子を見ていると、いつも見えているぐらいの大きさが、全然見えていない。おかしい。看護婦さんに結果を聞いてみると、なんと左は0.3しか見えていないというじゃないか!えー、たった2週間前、分院で検査をした時は、0.6が見えたのに?!おかしい、どうして、といろいろ考えたが、理由は後で先生と話していて、わかった。
いつも検査を受けるときは、朝からパッチをつけて行き、そして検査の直前までそのままだ。つまり、検査をする直前まで、左目はしっかり働いている。でも、今日は、昼からパッチはしていなかった。検査をする時には、斜視のある左目は、すっかりお休み中、右目しか働いていなかった、っていうことだ。が〜〜〜〜ん・・・0.6が出た!と喜んでいたのは、ぬか喜びだったか・・・
斜視を治さなければいけない、という理由が、ここにきて痛感させられた。左目は、ホントに、パッチをしている時以外は、働いてなかったのだ・・・。診察の後、夜9時の消灯まではフリータイム(本当にこうやって入院日程に書いてあるのだ(笑))なので、たっくん親子と一緒にお買い物に出る。時間つぶし用の本を探しに本屋に行き、たっくんママは、たっくん用の「夏休みのとも」(たっくんが選んだ。偉い子だ!)と、「ちゅらさん」の1巻を購入(笑)。わたしはなるなる用に、小さな仕掛け絵本を2冊買った。
そのまま近くのカレーハウスに行き晩ご飯をすませ、病院近くの銭湯に向かう。ぷらぷら歩いて銭湯のある角を曲がると・・・・なんと、銭湯は今日に限り、「臨時休業」をしていたのだった。どうしよう、と途方に暮れるが、閉まってるものは仕方がない。いったん病院に戻り、タウンページでほかに銭湯がないか調べよう、ということになる。すっかり入るつもりになっていたので、こうなったら何が何でも入りたいのだ!病院に戻ると、タイミングよくたっくんのパパが仕事帰りにやってきた。私も少し話をしたが、家族で話もあるだろう、と一応カーテンを閉める。(なるなるとニィニィが開けたり閉めたりで遊んでるので、あまり意味がなかった(苦笑))。なるなるは、たっくんにパパが来てくれたのが、うらやましいらしい。「なるのおとうちゃんは?」と聞かれ、ぐっ、と答えにつまってしまう。「なるのおとうちゃんはね、石垣でね、いっぱいお仕事がんばってるんだよ。なるは病院でがんばろうね。」と言ってみたが、やっぱり不満気だ。
たっくんパパの車に乗せてもらって、タウンページで見つけた銭湯に向かう。銭湯なんて、何十年ぶりだろう。番台のオジイに1000円を出し、700円ほどのお釣をもらう。(ハッキリ覚えてない)。「シャンプーしますか?」と聞かれたのが印象的だった。(ヘー、ホントに聞くんだ。)今どきは、銭湯といえども「ジェットバス」あり「露天風呂」あり、「薬湯」に「サウナ」まである。なるなるは初めての銭湯で大興奮だが、大抵の沖縄の家がそうなように、石垣のしぇる家には「フロ」がなく、年中シャワーの日々なので、この熱いお風呂はやっぱり苦手だ。わたしは「おお〜!久しぶり〜!」とうれしいが、なるなるは「アツイー!!」と膝まで入るのがやっとだった。
9時ぎりぎりに部屋に戻り、おとうちゃんに「がんばるよ!」と電話をした後、お菓子を食べられるだけ食べさせる。9時から絶食で、明日手術が終了するまで、何も口に出来ないので、食べられるだけ食べさせておこうという作戦だ。明日は9時半検温。夜中12時からは飲み物も飲めない。起きても何も口に出来ないどころか、ペロリと水をなめるのも厳禁なので、顔も洗わないで下さいと言われている。だから、今日は、なるべく遅くまで起こしておいて、明日は朝ギリギリまで寝かせておきたい。朝早く起きても、何も飲めない食べれないじゃ、かわいそうだもんね。結局10時半ごろまでたっくんが「夏休みのとも」をするのを見ていたり、ぺちゃくちゃおしゃべりで時間をつぶし、そろそろ眠くなってきたかな、という頃、「おやすみ」を言ってカーテンを閉める。ベッドの上で、持ち込んだ絵本を何冊か読んでいる間に、なるなるは眠ってしまった。
夜11時。明日は、長い1日になりそうだ・・・。
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